京大、劇的満塁HRで近大にサヨナラ勝ち/近大から勝ち点獲得は史上初


19日、関西学生野球秋季リーグ第7節第3試合が、南港中央野球場で行われ、京大は11回裏、大川琳久(外野手・済々黌③)が逆転サヨナラ満塁HRを放ち9-10で近畿大学に勝利した。15日の第1試合にも近大から勝利しているため、今季初の勝ち点1。京大の近大からの勝ち点獲得は史上初となる。勝ち投手は愛澤祐亮(捕手/投手・宇都宮④)。

先発の水江日々生(投手・洛星③)は3回3失点。4回から水口創太(投手・膳所④)が登板し、3回2失点。近大のペースのまま試合が進むが、7回、愛澤のヒットから代打谷口航太郎(内野手・茨木①)のツーベース、小田雅貴(内野手・茨木③)のフェンス直撃打で2点を返す。茨木高校コンビが躍動した。

ドラマは9回裏に待っていた。5-3で、京大は2点を追いかける。7番の愛澤が四球で出塁し、9番で途中出場していた青木悠真(捕手・四日市③)が高々と舞い上がる二塁打を放って、ランナーは一死二塁三塁に。1番の細見宙生(内野手・天王寺①)がサードへのゴロをヘッドスライディングでセーフにして1点を返すと、代打・梶川恭隆(外野手・旭丘④)のレフトへの同点適時打。打撃職人は、欲しいところでまた打ってくれた。
3番の伊藤伶真(内野手・北野④)が敬遠とされ一死満塁、4番の徳田聡(投手・北野④)に代打は青田拓也(捕手・姫路西④)。近大の投手は、ベンチに残った最後の小寺に交代する。同時に京大も、9回表から登板した徳田の降板により、残る控えに投手登録の選手はいなくなった。青田が三振に倒れ、打席には大川。両打デビューの強打者がこの日初めての左打席に立ったが、三振に倒れる。

延長にもつれ込み、マウンドには、愛澤。正捕手がマスクを外して、近大打線に立ち向かった。京大にはまだこの男がいた。タイブレークルールが適用され、走者が一塁と二塁に置かれる難しい場面。京大のアンダースロー投手は、ゲッツーとショートゴロで、この回、完全に近大打線を料理した。

京大は同点の10回裏、6番・庄倫太郎(内野手・川越②)がバントを成功させ一死二三塁。続くバッターボックスの愛澤は歩かされ、一死満塁、一打サヨナラの大チャンス。しかし、後続の片岡太志(内野手・神戸④)、出口諒(外野手・栄光学園④)が続けなかった。

11回表も、愛澤が投げた。捕手として、バッターとして、投手として活躍したプロ注目の野球選手は、またも走者一塁二塁から始まったこの回、4失点。京大の命運は尽きたように見えた。
11回裏、伊藤がレフトへの適時打で1点を返すが、なおも3点差。一死満塁で青田が三振に倒れ、誰もが京大の敗戦を予感した瞬間。ドラマが再び。打席に立った大川は、近大小寺のカットボールを力強く引っ張った。

「嘘やろ!」ベンチからの声が響く中、大川の打球がライトフェンスを越えた。逆転サヨナラ満塁HRで京大が勝利した。

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