4-1 首位近大に快勝
15日、関西学生野球秋季リーグ第7節の第1試合が行われ、京大は近畿大学を4-1で下して勝利した。暑さ残る9月3日のわかさスタジアム京都から始まった京大の長い連敗が、秋空のもと、ほっともっとフィールド神戸において8で止まった。
先発の水江日々生(投手・洛星③)は3回まで完全投球、ストライク先行のピッチングで7回を無失点に抑えて勝ち投手となった。

奮投する水江日々生
この日、水江の奮投についに打線が応えた。3回、庄倫太郎(内野手・県立川越②)が「前を打っている方々が、久保の直球が来ていないと教えてくれた」と、甘い高めの真っすぐを捉え、チーム初安打でチャンスを切り開く。続く愛澤祐亮(捕手・宇都宮④)は投手強襲の内野安打、水江の打席では近大側に野選があって無死満塁にまでチャンスが拡大した。

ここから、京大の策がハマった。打席には、1番センターで先発出場の大川琳久(外野手・済々黌③)。8日に引退した、4回生山縣のポジションを継いだ。これまでの登録は左打者だが、今日は右打席にも立つ。「左投手のボールが見えなくて打てなかったから、3日の関学戦の後、近田監督に言われて右のバッターボックスで練習しました。これからは両打です」と語る強打者が、絶好のチャンス、近田監督から耳打ちで確認されたのは「右打席で、バント練習してるか、できるのか?」。答えはノー。1週間の右打席練習でしてきたのは、ひたすらバッティング。監督も大川の言葉を信じた。結果、ボテボテの内野ゴロではあったが、一塁手がはじき記録は内野安打。プロ注目の近大左腕・久保から2点を奪った。「山縣さんと自分は比べ物にならない。足元にも及んでいません」と謙遜するが、一瞬のチャンスを見逃さなかった。

6回裏には代打攻勢に出た。無死から代打・平山統(外野手・東筑②)が安打、代走で出場したキャプテンの出口諒(外野手・栄光学園④)が盗塁を成功させ、3番の伊藤伶真(内野手・北野④)が送りバントで一死三塁。4番の青木悠真(捕手・四日市③)が空振り三振に倒れ、近大側に譲りかけた流れを、代打・梶川恭隆(外野手・旭丘④)が変えた。春季リーグで代打満塁本塁打を放った打撃職人がかちあげた初球は、高々とセンターに舞い上がり、ポテンとフェアゾーンに落ちて適時打となった。

6回に1点を追加すると、7回にも、近畿大学のドラフト候補・大石の制球が荒れ、両軍にとって痛い2死球の後、2番片岡太志(内野手・神戸④)がセンターへの適時打で1得点。6回・7回と、コンスタントに中押し点を取ることができた。

守備も光った。6回表にはセンターに抜けようとするゴロを、「(セカンドは)自分に合っている感じで、しっくり来ています」という庄が軽快にさばいた。はたまたサードでは強烈な打球を伊藤が「あんなの経験ありません」という横っ飛びダイブでアウトにもぎ取った。
8回からはプロ注目の水口創太(投手・膳所④)が登板し、2回を1失点、最速142キロで2つの三振を奪って試合を締めた。なおプロ志望届を提出した愛澤は3打数1安打。3回の先制の立役者となった。


水江が抑え、野手がワンチャンスを無駄にしない。京大の勝ち方でようやく1勝を挙げることができた。続く16日は近大戦第2試合、近畿大学から勝ち点を奪うことができれば、史上初となる。