10月2日、関西学生野球秋季リーグの第5節・第1回戦が行われ、京大はほっともっとフィールド神戸で関西学院大学と対戦した。試合は8-2で敗れ、京大は秋季リーグ勝ちなしの7連敗となった。
先発の水江日々生(投手・洛星③)は初回から関学打線に打ち込まれ、4回表までで被安打7、2失点。一方の京大打線は、相手先発・西の前に3回までノーヒットに抑えられていた。
4回裏、京大に光明が差す。一死から、この試合で2番・遊撃として先発出場していた細見宙生(内野手・天王寺①)が打球を内野に転がし、ヘッドスライディングで一塁セーフ。「しっかりボールを見て、バットに当てたら何とかなると思って」と振り返る。前節の出場を新型コロナウイルスへの感染で逃していたルーキーが、この日チーム初安打、そして自身のリーグ戦初安打を記録した。

2点を先制されている中で、京大は好機を活かそうと序盤から積極的に動いた。一死一塁の場面でランナーの細見をベンチに下げ、キャプテンの出口諒(外野手・栄光学園④)を代走へ。二死三塁までチャンスを広げたが、この試合で初めて4番で出場した中井壮樹(外野手・長田①)がファーストゴロ。一塁への送球に、足があと少し間に合わなかった。

5回表に水江が関学の佐藤海都に被弾し、点差が4点に開いていた5回裏、京大の活路を切り開いたのは、この試合で3試合ぶりにスタメンに復帰した大川琳久(外野手・済々黌③)の「初」だった。6番・二塁で出場していた片岡太志(内野手・神戸④)がポテンヒットで出塁すると、7番・右翼の大川が関学先発・西の直球を振りぬく。「ライトフライかなと思っていたが、風に乗ってくれました」。瞬間、球場は静寂に包まれた。打球はぐんぐん伸び、ついにライトのフェンスを越して京大は2点を取り返した。大川のリーグ戦初となるHRで、リーグ開幕からここまでの6試合で合計2得点の京大にとっても、秋になって初めての一発だった。

ただ、この試合での反撃はここまでとなった。6回表から登板した牧野斗威(投手・北野④)は、8回までの3回を投げて6四球と制球難。6回には関学の3番、髙波による走者一掃の三塁打で3点を失い、終始関学のペースとなってしまった。
5点差、9回表のマウンドに上がったのは、今日4番デビューの一回生・中井。登録は外野手。「点差が開いた時の、野手ピッチャーですから」と本人は謙遜して話すが、130キロ台の直球を小気味よくストライクゾーンに投げ込んでいく。味方の失策もあって1回1失点の結果に終わったが、高校時代も含め初めての公式戦登板として、上々のデビューとなった。

9回裏、片岡の振り逃げで二死一塁として、大川が打席に入るも三振。試合終了となった。
プロ注目の愛澤祐亮(捕手・宇都宮④)は3打数1安打で秋季リーグ自身初ヒット。水口創太(投手・膳所④)は、出場選手登録はされたものの登板はなかった。

この節を含めて、残り二節。優勝、Aクラス入りが絶望的となっていく中で、いくつもの「初」は、これからの京大の道を照らす。