関西学生野球春季リーグ戦 第5節2回戦 近畿大学3―7京都大学(17日・南港中央野球場)
0勝1敗で迎えた近畿大との2回戦、3点ビハインドで迎えた六回、五番・西村洪惇(2 金沢泉丘)の適時打で1点差に迫ると、二死満塁の場面で代打・梶川恭隆(4 旭丘)がレフトオーバーの満塁本塁打を放ち、逆転に成功した。
◇ 梶川恭隆(かじかわ・やすたか)
1999年5月25日生まれ。愛知県旭丘高校出身。右投右打・外野手。中学は愛知県の東山クラブに所属、クラブチーム選手権にも出場。元捕手で今年から外野手に転向した。持ち味はバットコントロール。
超人的だった冷静さ
六回途中、投手牧野の打席のところで代打に有川か梶川を切ると近田監督から言われていたが「1点差だったので自分かなと思って勝手にネクストに入っていました」と梶川。二死満塁の場面で代打として登場すると、2球続けて淡々とストライク球を見逃した。前の打者は四球で出塁、ファーストストライクを狙うことは代打の鉄則とも言えるが「単純に、あまり打てるボールじゃないなと思って見逃しました」と梶川は冷静だった。「自分は今シーズン空振りが1個も無くて、調子的に低めの変化も見逃せているので、追い込まれても粘っていれば甘い球が来ると思うので、それを仕留めればいいかなという感じでした。初球からガツガツいこうということはなかったです」と、状態の良さからくる確かな自信があった。
「1球で仕留める」意識
前節の立命戦でも代打で適時打を放つなど、大事な場面の代打で最高の結果を出し続けている梶川。普段の練習から大切にしていることとして、「チャンスで回ってくると特に投手もギアをマックスにして投げてきますし、その中で捉えないといけません。自分は練習の中で、打撃練習での初球を損じない、1球で仕留めるというのを当たり前ですけど意識してやっています」と話す。梶川にお気に入りの練習方法を聞くと、「脇さんに黄色ボール投げてもらって、あの練習で感覚掴めたりするので、近い距離から速いボール投げてもらってという練習です」と嬉しい答えも返ってきた。ボールの見え方の部分で感覚を掴めたという。

代打の準備
1打席勝負の代打には、独特の準備があった。「代打ほんと難しくて、試合始まる時にバンとコンディション持って行っちゃうと、あまり続かないというか、疲れちゃうというのがあるので、試合序盤はまずは自分のことより声出しとかチームのことをやって、中盤から終盤にかけて、自分の準備というかもう一回体温を上げて、気持ちも上げてという。ルーティンみたいなのはないんですけど、守備の時間に黙々と素振りをしています」
次の試合へ意気込み
「歴史を作っている中にいるという実感はあるのでその充実感はありますし、今日みたいに自分が打って勝つというのもほんと最高なので、関学節でも近大3回戦でも良いところで打てたら良いなと思っています」