【春季リーグ戦】投捕打の三刀流―愛澤祐亮 4/4関大戦

春季リーグ戦第1節の関西大学戦、1勝1敗で迎えた3回戦、勝ち点獲得に向けて京都大学が先発のマウンドに送ったのは、ここまでの2試合キャッチャーとして出場していた愛澤祐亮(④宇都宮)だった。

愛澤は宇都宮高校時代は投手として栃木県選抜に選ばれた上、二遊間もこなす選手だったが、京大ではそのユーティリティ性を活かしてチームの穴を埋めるように外野手、捕手を務めている。そのため3年生のシーズンまでは投手としての登板は無かったが、今年1月頃に愛澤を投手起用するプランが密かに持ち上がった。春のオープン戦での登板時には、野球部の広報で愛澤が登板したことは隠すなど秘密兵器としてここまで準備していた。まさに奇襲。

投手としてはアンダースローの愛澤は、関大打線を4回2安打無失点に抑える好投。当初は1巡目で交代する予定だったが、ベンチの期待以上に素晴らしい投球をしたため、4イニング目まで続投することになった。本人も初回に1,2番を連続三振に斬ったところで「今日はイケる」と確信した。球種はスローカーブとスライダーとシンカーで、この日はシンカーと要所で投げるスローカーブが効果的に決まっていた。「試合前の動きもいつもと違い、正直緊張していた」と語るが、それを感じさせない投球で、試合を作った。また一塁ゴロの際には素早いベースカバーで、元投手としての一面も見せた。

マウンドを降りた5回からはそのままマスクを被り、徳田-水江を好リード。関大の反撃を振り切った。さらに打つ方では4打数3安打1打点。「前の2試合では当たりが出なかったが、この日は投手に専念しようといい意味で力を抜いて打席に立つことができた」と振り返る。2回には逆方向への2塁打を放ち、後続のタイムリーで先制のホームを踏んだ。さらに1点差に迫られた8回にはランナーを3塁に置いた場面できっちり内野ゴロを放ち、関大を突き放した。

試合を振り返り、「久々に公式戦で投げられて楽しかった」「機会があればまた投げたい」と語った。近田監督も「登板していい結果を出したという意味では、また投げさせることは有り得る」と今後の起用の可能性を示唆した。今後のリーグ戦、愛澤がどのポジションで活躍するのか、注目だ。

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