寒風の吹く吉田グラウンド。全体練習から離れたゲージの中、選手のリハビリをサポートする一人の男の姿があった。学生トレーナー・奥村輝石(京都教育大附・新修士②)である。
トレーナーへの道のり
京都大学に入学後、プレイヤーとして野球部に所属していた奥村。しかし、1回生の秋に野球部を辞め、そこから2年程は野球部とは関わることはなかった。
奥村の選手時代は高校、大学を通じ怪我との闘いだった。「高校の時に自分がひじを怪我して、大学でも1回生の時はずっと怪我していてまともな練習ができない状態でした。」そうしたなかで人間の身体について調べていくうちに興味をもち始め、大学でも理学療法学を専攻することとなる。「自分がプレーするよりも、医学的な観点や動作観察・動作分析の見地から野球を見たいと思うようになり、トレーナーに関心を持ちました。」
こうして奥村は、トレーナーになるための勉強を始め、自分たちの学年の代となる3年秋のタイミングにチームに戻った。
学生トレーナーとして
学生トレーナーとして、奥村はどのような活動をしているのか。このことについて尋ねると、「ほとんど何もしていないといっても過言ではないです(笑)。」と謙遜しながらも、次のようなことを教えてくれた。
「病院に通っている選手について、グラウンドではどのようなことができて、何ができていないのかを話したり、その中で一緒にストレッチや身体のコンディショニングをしたりというように、メディカル系のことを中心に活動しています。」
取材日も、選手のリハビリを熱心に指導し、見守っていた奥村。それでも、「自分は経験させてもらっている立場」だと強調する。
「学生トレーナーとしてチームに在籍させていただいていますが、萩原トレーナーを見て学んだり、選手を見ていく経験を積ませてもらったりしています。」