学生監督誕生、、!?

By京大ベースボール

11月 25, 2021

 

京大野球部を支える役職に学生コーチがある。学生コーチの存在はチームにとって必要不可欠だ。#52林 (堀川 ①)と #中村 (明和 ①)は令和3年度後期チャレンジトーナメントにて指導者側として試合の采配を任された。

彼らが試合の采配をすると聞かされたのは10月初旬、学生コーチの先輩である #51三原 (灘 ③)から知らされた。過去に2, 3回ほど紅白戦の采配を任された経験はあり、今回の抜擢にも驚きはしなかったが紅白戦とは異なる難しさを感じたと #52林 は言う。「紅白戦では、平等に機会を与えたい, 新しいポジションを経験させたいなど様々な目的があるが、公式戦は勝つ事が一番の目的、チームとして勝つことが最優先。そこが難しかった」

学生コーチ・林(堀川 ①)

一方の #53中村 は「まずは勝たないといけないが、選手の今後の成長のために必要な経験は何かという事も采配を考える上で重要」と、チャレンジトーナメントが選手にとって貴重な経験だということも重要視していた。それぞれの考えをもとに試合でどのように采配していくのか、二人は何度も話し合いを重ねた。試合で想定される状況を考え、その時の代打起用や選手交代のタイミング, 作戦について入念に確認を行い、試合に向けて準備を進めていった。

迎えた試合当日、チームは試合序盤こそ競り合ってはいたものの結果的に2-9で敗戦した。勝利という目的は果たせなかったが、この試合で得た学びは大きかった。紅白戦では味わえないチームを勝たせることの難しさや、臨機応変に采配する難しさなど、今まで見えなかった指導者の苦悩を彼らは知ったのだ。

今回、彼らに試合の采配を任せた近田監督はこう語る。

近田怜王 監督

大学野球は組織として学生中心で運営されている。これまで学生コーチの役割はノッカーやランナーコーチまでに止まっていたが、学生監督という役割があっても良いのではないかと考えた。学生監督を務めたことは、今後の人生においても貴重な経験になると思う。今回も、どうやったら得点できるのか作戦面も踏まえ自分達で考えて打順を組み合わせていたり、二人で協力して一生懸命やってくれていた。そういう考え方があったんだとこちらも勉強になるような面白い采配もあり、非常に良い感じで取り組んでくれている。

学生が学生を評価し起用するというのは容易なことでは無いし、今後選手から起用についての疑問なども出てくると思う。それでも、あえて責任感のある立場で学生コーチをやってもらってるので、人を見て評価していく中で色々な経験をしていってほしい。ただノックを打つ, ランナーコーチをするというだけではなく、人を評価する立場ならではの経験もしていってほしい。

最後にニ人にある質問をした。
ーまた学生監督をやりたいか?

二人揃って「また是非ともやりたい、とは…(笑)」とはにかんだ。今回のチャレンジトーナメントで指導者側に立つことの大変さを感じていた。しかし、それ以上に”やりがい”も強く感じている。

「下回生の頃自分がサインを出したり起用していた同学年の選手達が将来リーグ戦で活躍している、そんな姿を見るのが楽しみ」

学生コーチ・中村(明和 ①)

近田監督もニ人には期待をよせている。今後学生コーチとして彼らがどのようにチームを支え、勝利の方程式を導き出していくのか目が離せない。

執筆 : 酒井 梨愛

京大ベースボール

京都大学初の大学スポーツ紙。 体育会硬式野球部に関する報道活動を行う。 野球部の広報という立ち位置ではなく、野球部とは完全に別団体として活動している。

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