京大野球部は11年前に続き今年、使わなくなった野球道具などを募り、キューバーの子供たちへと送る支援活動を行っている。

【活動再開のキッカケ】
11年前、同部に滝沢優子さん(東京都)から、キューバーの子ども達に寄付する野球道具を集めて欲しいという依頼が舞い込んできた。同部はこの依頼を受けいれ、寄付活動を実施した。そして、オリンピックイヤーとなった今年、オリンピックを通して支援の輪を広げたいという滝沢さんの願いから、是非とも他の野球部ではなく京大野球部にこの活動をして欲しいという依頼が入ったのがキッカケだ。また11年前キューバーと親善試合を行った同部だが、当時の試合がキューバーの人々にとって良い思い出になったというのもひとつのキッカケである。
【青木監督の思い】
「野球部員に少しでもいいから、支援活動などを通して日本だけではなく海外との交流を経験して欲しい。」青木監督はそう語った。野球部というのは他の大学生に比べ海外経験というのが中々出来ない環境にいる。しかし卒業し、社会に出れば海外との交流もしていかなければならない。だからこそ少しでもこのような経験をさせておきたい。出品リストを作ったり、船便や航空便で送るとどうなるか、通関作業とはどのようなものなのか様々な事をこの在学期間で経験し、知って欲しい。また部員たちには海外遠征もさせてあげたいが、金銭的な面であったり、新型コロナウィルスの影響により遠征が難しいものになっている。更には野球は世界的にはマイナーなスポーツである為、遠征先の国も限られてしまっているのである。それが理由で部員に海外経験をさせてあげれないのは駄目だという、強い思いが青木監督にはあった。
【キューバーの子供たちへ、⠀】
キューバーは非常に貧しい国であり、野球道具も買うのも一苦労である。だからこそ野球道具を送り、野球に触れて欲しいのだ。野球をプレーする楽しさを知り、将来はプロ野球選手…そんな夢を叶えさせてあげたい。

【現在集まっている野球道具は??】
現在同部には部員の他、近畿大学、立命館大学、亀岡高校などからもボールや審判道具などが寄せられている。これらは主にマネージャーがSNSなどを通し野球道具を収集したものだ。集まった野球道具たちはダンボール4箱分にまで達した。
この活動はこれからも続けていく予定である。毎年だと道具にも限りが出てきてしまうが部員に1回でもいいので経験て欲しいということで4年に1回、あるいは2年に1回は実施していく。また現在はコロナの影響で難しいものではあるが、もしコロナが落ち着き入国制限も無くなり自由に入国が出来たあかつきには “試合が出来れば” という願いもある。11月末までを目処にこの活動を実施しており、一般の方からの寄付も募っている。
野球道具を通してキューバーと京大野球部、そして日本との絆が深いものとなっていく。
京大ベースボール 執筆:酒井 梨愛