【歴代打点記録】確実に成長を続ける苦労人、さらなる高みへ [2]
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今秋は下位打線を打つことが多かった愛澤だが、ここ一番の好機で勝負強さを発揮し、野口(関大④, オリックスからドラフト2位指名)と並びリーグ5位タイとなるシーズン7打点をあげた。シーズン個人打点 7 は、京大の歴代記録でも2位の記録だ。
今年引退した岩城, 脇の8打点(2019年秋に二人同時)が歴代記録だが、今季の10試合制(2019秋は計12試合)を考慮すると7打点は歴代でも十分に価値がある数字と言える。打率こそ .226と率は決して高くはないが、今年の愛澤は打撃面で大きな成長を見せた。

愛澤の打撃における強みは、柔軟な身体を存分に使った強いスイングと優れたバットコントロールだ。逆方向にも柵越えを打てるだけのパンチ力と、際どい球に対してはファールで逃げられる対応力を兼ね備えた”中距離好打者”が本来の愛澤の姿。しかし去年までのリーグ戦では思うような結果が出せずかなり苦しんでいた。
それでも「チームが優勝するためには上でも野球を続けられるレベルの選手が何人も必要、ならば自分がそこ(社会人野球)を目指そう」と心折れずに冬期間で猛練習を積み重ねる。同時期に捕手転向もあり、内野ノックに加え捕手の基礎練, ブルペンで投球を受けるなど必要な練習はさらに増え、ほとんど毎日グラウンドに最後まで残った。

一冬越えた春先からは、捕手としても好打者としても十分実力を発揮する。野球に対して真摯に取り組む姿勢と十分な実力で “正捕手”としての信頼を見事に勝ち取り、打撃の方でも「打席で相手バッテリーの配球や気持ちが分かるようになり、(投手の球を何千, 何万球と捕っているため)頭に焼き付いているのか打席でボールの見え方が変わった」と復調に成功する。
入部以後長く苦しみ続けたがその間にも着実に力をつけ、捕手転向を一つキッカケとして彼の非凡な才能が花開きはじめた。
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京大ベースボール 執筆:脇 悠大
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