4回生、引退後も…

By脇 悠大

11月 1, 2021

 


1日、硬式野球部の練習に今秋のリーグ戦で引退した4回生の姿があった。引退後ちょうど1週間となるこの日、4回生がグラウンドに顔を出したのには訳がある。

京大では毎年引退後の4回生がチームの練習手伝いに来る。決して強制ではなく、”自主的に” だ。今年も変わらず、新チーム始動にあたって4回生は練習補助としてバッティング投手やマシンの球入れ等を行っている。しかしこの日は練習補助だけでは終わらず、グラウンド内の環境整備への取り組みも見られた。

“ブルペンリニューアル”

ブルペン工事開始 (撮影・京大ベースボール)

雨に弱い, 太陽の向きが悪い, 狭いなど多くの問題を抱えていたブルペンを、一から整備し直す計画が始まっていた。取り仕切っていたのは、工学部で土木, 都市計画が専門の前副将・池田唯央(膳所・④)。土質力学や材料力学、測量といった専門的な知識を用いて完全自前でブルペンを作り直していく。精確さ, 強度, 機能性なども考慮し設計するため、この計画の遂行は決して容易ではない。池田の言葉には後輩への想いが詰まっていた。

「今年の代は去年から試合に出ていて伸びてきた選手が多い。冬にしっかり力をつけて来年の目標に向かって頑張ってほしい。」

池田唯央(膳所・④) (撮影・京大野球部)

「感謝」「後輩への期待」「優勝への未練」…

引退後も各々に思うところがある。それでも、”自分にまだ残されている やれる事をしよう”とグラウンドに向かう。代々紡がれてきたこの想いは、今年も確かに受け継がれていた。

京大ベースボール  執筆:脇 悠大

脇 悠大

「京大ベースボール」代表・京大硬式野球部OB(2022卒)。2020秋~2021秋まで京大野球部の主将を務めた。京大野球部を「恒常的に優勝できるチームにする」という主将時に掲げた目標を達成するため、引退後でも何か出来ることはないかと考え、京大ベースボール(学生スポーツ紙)を設立。京都大学初の大学スポーツ紙として、野球部についての記事を書き始める。現役時代は右投左打の内野手。滋賀県・膳所高校出身。2022年度から京都大学大学院農学研究科。

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